先ほどの記事で水谷選手が張本選手に負けたことをほんの少し書きました。今ちょうどテレビでも試合放映が終わりましたね。今回はその試合考察記事です。敬称は略でお願いします。
水谷vs張本
試合を観終わってまず思ったことが水谷が日本人に負ける時のよくあるパターンだなということです。要は相手に先に打たれてから水谷が後ろ、張本が前になる展開。全日本で負けた時、つまり吉村戦と丹羽戦も、特に吉村戦ですね、同様の試合展開になっています。相手が多少下がってくれる相手ならば、打ちあいという水谷が得意な展開にももっていけるのですが、相手が絶えず、前にいこうとする意識のある選手だと、水谷の球は威力が決して強力ではない(もちろん一般レベルからしたら破滅的な威力ですが)ため、合わし気味の軽カウンターも入ってしまうんですね。そうすると前対後ろの構図的に後ろにいる選手はどうしても不利になってしまいます。
日本人は、最近だと改善気味ですが、できる限り前にいるというのが古い指導としてありますし、そう考える選手は比較的多いです。先述の選手でも吉村は優勝した時は少なくとも水谷より前にいるシーンが多かったですし、丹羽も同様ですね。しかし、世界レベル、特にヨーロッパの選手なんかは後ろでのラリー戦が主体ですし、中国選手も前陣でも中前陣くらいの距離でのドライブが多いです。
一方で今回の張本は前陣、しかも日本人的(体格的な問題もあるので若年的ともいえるか?)な前陣という印象があります。そのため世界レベルに設定していた水谷にささったような感じがしました。あくまで印象ですが。水谷前対張本後ろの展開ではほぼ点数を取られていないことからもこの前対後ろの構図は今回の試合のキーポイントになったと思います。互いが同じ場所取りで打ちあうシーンがこの試合は少なく、上記の印象をより強くさせています。
解説などで、張本が平野ばりの高速卓球をしているといっていましたが、そりゃあんだけ前対後ろになっていたら前側はピッチ打法にみえるだろうと。。平野は女子卓球という前陣中心の卓球の中でのあの高速卓球なのが異次元なのであって、張本の(もちろん高速卓球なのですが)今回の試合はまた平野とは別物かと思います。バックハンドもドライブではなく、プッシュ系ですしね。
プッシュ系といえば、張本のバックプッシュの精度は上がりましたね。球が見えていたのでしょうか?かなり積極的にプッシュを仕掛けていたと思います。
また、張本にもかなり成長がみられていて、一番印象に残ったのはフォア前の処理。世界ジュニアを制したときはつっつきを相手の奥に送ることも多かったですが、今回はかなり積極的に台上ドライブを仕掛けに行っていました。もちろん、水谷の球の質が悪かったというのも大きいですが、その意識変化は感じられたのではないでしょうか。もともと張本は攻めが少し遅い印象だったのですが、今回は台上フォア、台上バックともに早い段階で攻めており、上述の展開の一因になったと思います。そこにあまり上位層が打たないフラット系のバックハンドも加わって水谷にささっていました。
そういう点で水谷の明らかなミスとして、レシーブがショートレシーブが多く、なぜ突っつきを行わないのかと思いながら見ていました。特にバックロングのつっつきは張本は一発がないウィークポイントであり、そこを積極的に攻めてよかったのではと思います。ロングレシーブはフリックやチキータ系が多く、それだと張本のフラット打法にやられてしまうのになーといった印象です。打たせているわけでもなく打たれている球が多かったです。
戦術的な意味では、張本のバック側の球をフォアでストレートに返球する展開が非常に効いているようにみえました。つまり、張本3球目→水谷張本のバックに返球→張本フォアで水谷のバックに返球→水谷バック対張本フォアの展開になって前対後ろの構図が成立する、といった感じです。ただリスクもあるプレイだったので、そこは挑戦者側である張本の思い切りの良さが光った場所なのでしょう。
もちろん水谷も本調子ではなかったのでしょう。珍しくサービスをネットにかけたりミスも目立っていましたし、リオ五輪で入っていたカウンターもさほど入っていなかったです(カウンターに関しては、張本の球質がフラットよりでかけ返す系のカウンターがしづらかったというのもあるでしょう)。もしかしたら水谷はニッタクボールが苦手なのかもしれません。
しかし、それでも世界のトップ選手にわずか13歳の選手が勝利するというのは素晴らしいことです。水谷選手が早々に負けてしまったことは残念ですが、ここからは張本選手にがんばってもらい、また丹羽選手などほかの勝ち残っている選手を応援していき、残りの卓球weekを楽しみたいと思います。
水谷vs張本
試合を観終わってまず思ったことが水谷が日本人に負ける時のよくあるパターンだなということです。要は相手に先に打たれてから水谷が後ろ、張本が前になる展開。全日本で負けた時、つまり吉村戦と丹羽戦も、特に吉村戦ですね、同様の試合展開になっています。相手が多少下がってくれる相手ならば、打ちあいという水谷が得意な展開にももっていけるのですが、相手が絶えず、前にいこうとする意識のある選手だと、水谷の球は威力が決して強力ではない(もちろん一般レベルからしたら破滅的な威力ですが)ため、合わし気味の軽カウンターも入ってしまうんですね。そうすると前対後ろの構図的に後ろにいる選手はどうしても不利になってしまいます。
日本人は、最近だと改善気味ですが、できる限り前にいるというのが古い指導としてありますし、そう考える選手は比較的多いです。先述の選手でも吉村は優勝した時は少なくとも水谷より前にいるシーンが多かったですし、丹羽も同様ですね。しかし、世界レベル、特にヨーロッパの選手なんかは後ろでのラリー戦が主体ですし、中国選手も前陣でも中前陣くらいの距離でのドライブが多いです。
一方で今回の張本は前陣、しかも日本人的(体格的な問題もあるので若年的ともいえるか?)な前陣という印象があります。そのため世界レベルに設定していた水谷にささったような感じがしました。あくまで印象ですが。水谷前対張本後ろの展開ではほぼ点数を取られていないことからもこの前対後ろの構図は今回の試合のキーポイントになったと思います。互いが同じ場所取りで打ちあうシーンがこの試合は少なく、上記の印象をより強くさせています。
解説などで、張本が平野ばりの高速卓球をしているといっていましたが、そりゃあんだけ前対後ろになっていたら前側はピッチ打法にみえるだろうと。。平野は女子卓球という前陣中心の卓球の中でのあの高速卓球なのが異次元なのであって、張本の(もちろん高速卓球なのですが)今回の試合はまた平野とは別物かと思います。バックハンドもドライブではなく、プッシュ系ですしね。
プッシュ系といえば、張本のバックプッシュの精度は上がりましたね。球が見えていたのでしょうか?かなり積極的にプッシュを仕掛けていたと思います。
また、張本にもかなり成長がみられていて、一番印象に残ったのはフォア前の処理。世界ジュニアを制したときはつっつきを相手の奥に送ることも多かったですが、今回はかなり積極的に台上ドライブを仕掛けに行っていました。もちろん、水谷の球の質が悪かったというのも大きいですが、その意識変化は感じられたのではないでしょうか。もともと張本は攻めが少し遅い印象だったのですが、今回は台上フォア、台上バックともに早い段階で攻めており、上述の展開の一因になったと思います。そこにあまり上位層が打たないフラット系のバックハンドも加わって水谷にささっていました。
そういう点で水谷の明らかなミスとして、レシーブがショートレシーブが多く、なぜ突っつきを行わないのかと思いながら見ていました。特にバックロングのつっつきは張本は一発がないウィークポイントであり、そこを積極的に攻めてよかったのではと思います。ロングレシーブはフリックやチキータ系が多く、それだと張本のフラット打法にやられてしまうのになーといった印象です。打たせているわけでもなく打たれている球が多かったです。
戦術的な意味では、張本のバック側の球をフォアでストレートに返球する展開が非常に効いているようにみえました。つまり、張本3球目→水谷張本のバックに返球→張本フォアで水谷のバックに返球→水谷バック対張本フォアの展開になって前対後ろの構図が成立する、といった感じです。ただリスクもあるプレイだったので、そこは挑戦者側である張本の思い切りの良さが光った場所なのでしょう。
もちろん水谷も本調子ではなかったのでしょう。珍しくサービスをネットにかけたりミスも目立っていましたし、リオ五輪で入っていたカウンターもさほど入っていなかったです(カウンターに関しては、張本の球質がフラットよりでかけ返す系のカウンターがしづらかったというのもあるでしょう)。もしかしたら水谷はニッタクボールが苦手なのかもしれません。
しかし、それでも世界のトップ選手にわずか13歳の選手が勝利するというのは素晴らしいことです。水谷選手が早々に負けてしまったことは残念ですが、ここからは張本選手にがんばってもらい、また丹羽選手などほかの勝ち残っている選手を応援していき、残りの卓球weekを楽しみたいと思います。
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