後半です。続きです。間隔は空かずに一気に考察していきます。

③ 肖像権は誰のもの?
 日本卓球協会の規定は以下の通りです。

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 つまり、JTTAがその権利を有しているわけですね・・・。
 ここで屁理屈フランに電流が走る。。。

 こんな規定見たことないし、同意した覚えない
 
 ​→つまりこの規定は意味を成してない!!

 なんて思った時期もありました。夜な夜な調べたところ、JTTA登録の規約にこんな一文が。
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 うむ、流石日本を統括する卓球協会の規約だ。一切のスキがない。
 ということで一応明示的承諾によって肖像権は原則としてJTTAが有するものとなるようです。

④ そもそも大会の著作権は?
 では、一般人が撮影した試合動画がYouTubeに無断掲載されて、それを別の個人が肖像権の侵害と訴えたい時、動画撮影、投稿に全く関係のないJTTAに申し立てをするのか?

 そんなわけないだろ。

 普通に考えてありえない。なぜTwitterでこんなアホな意見に否定が入らないのか。
 常識的に考えてそんなわけはないのですが、これだと論拠に欠けるので調べてみました。

 そもそも著作権法上、「著作物」とは、

「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音 楽の範囲に属するものをいう。」(著作権法 2 条 1 項 1 号)

とされています。つまり、思想又は創作的に表現されるものではないスポーツの試合自体は著作物、肖像物ですらないというわけです。​そもそも肖像権というものは、先述の通り著作権や国民の権利からの判例であり、スポーツの試合自体には、先述の肖像権は関与しないと考えることができます。なのでこの時点でJTTAは関与できないはずです。

 また、そもそもスポーツの試合に著作権を有さなく、試合を行なっている選手は実演家でもなく、実演家としての権利を有しておりません。論拠となる文面は下記。

「俳優、舞踊家、演奏家、 歌手その他実演を行う者及び実演を指揮し、又は演出 する者」(著作権法 2 条 1 項 4 号)

 ちなみに実演家の権利は下記。
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 つまり、試合そのものの権利はJTTAにも選手にも存在しないということになりそうですね、難しくなってきた。とすると、なにが著作物、肖像物になるのか。


東京地判平成 25 年 5 月 17 日
「作品 11 番,26 番及び 68 番は,いずれも,総合 格闘技である UFC の大会における試合を撮影し た動画映像であり,各場面に応じて被写体(選手, 観客,審判等)を選び,被写体を撮影する角度や 被写体の大きさ等の構図を選択して撮影・編集さ れ,映像に,選手等に関する情報等を文字や写真 により付加する等の加工を加えたものである(甲 16 の 1 ないし 3)。このように,作品 11 番,26 番 及び 68 番は,試合の臨場感等を伝えるものとるべく,被写体の選択,被写体の撮影方法に工夫 がこらされ,また,その編集や加工により,試合 を見る者にとって分かりやすい構成が工夫されて いるものということができるのであって,思想又 は感情を創作的に表現したものであると認められ るから,映画の著作物に該当する。」

長ったらしい判例で、これを基にした考察記事もあったのですが、結論から申すと試合映像が映画として著作物に当てはまるということになるようです。ではこの映画の著作権は誰が有しているのか?そう、撮影者ということになるはずです。とすると全日本選手権などの映像は日本卓球協会がその権利を有することになり、個人撮影の動画は撮影者の権利になるということです。

 そして、もう一つ重要な権利が放映権というものがあります。これはテレビやネット中継を行う組織に有する権利です。この有権者の承諾なしに(例外は存在するようだが)放映権を有する試合動画、転載を認められていません。全日本選手権などの大きな大会では、そもそも放映権を有していない方の動画投稿は禁止ということになります。そのため、日本選手権の場での撮影動画での一個人感の肖像権の侵害などといって論争はそもそも存在しません。その動画自体が基本違法となるはずだからです。

 では、放映権がないようなオープン大会の場合はどうなるのか?そもそも試合自体に著作権がかからないので、動画自体は撮影者の権利ということになります。つまり、その動画で肖像権侵害があれば。。。あとはお分かりですね。

 では先述のJTTAの肖像権とはどういう意味合いだったのか。他種目でも同じような記載は存在しており、下記にそのことについて述べている記事を掲載しておきます。少し古い記事なので法が変わっている可能性はありますが。
 まあ肖像権の侵害における論争にはそれほど使えないということですね。うまい弁護士だとこういう曖昧な部分を上手くついてくるのでしょうか。


 

 結論として、個人動画の無許可アップロードにおける肖像権侵害は正当性があり、侵害を訴えるのであればそれを認めることですね。また、侵害を訴える権利は誰にも等しくあるので、その方を批判するのは絶対にやめましょう。元の方もツイートを消す必要はなかったかと。また非営利目的であったり、公開の承諾があればその限りではありません。


 放映権がない大会の動画の所存が少し曖昧なのが気になります。とはいえ、そういった動画すらJTTAの管轄になるのならそもそも試合動画なんて撮れなくなってしまうので、そうでないことを祈ります。

  卓球YouTuberの動画を毎日見てるのでなくなると非常に困ります。

​ ただアニメ画とかただのITTFの動画の転載とか明らかな著作権違反はやめましょうね。。