近年、収入源としてもある程度の地位を確立しているYouTuber。卓球関連の YouTuberも私がブログを怠っていたこの1年で特に増えていますね。オープン大会等の試合動画も上がっており、所謂草の根プレーヤーにとっては情報収集しやすい世の中になりました。

 とはいえトラブルが起きやすいのがネット社会。 YouTubeもその例に漏れません。ちらほら聞くのが対戦相手の許可がないままの無断投稿。知らない間に世界中の不特定多数が閲覧できるSNSにアップさせられているのはモラル的に当然アウトでしょう。肖像権的にも抵触するでしょう。
 ただ、実際問題どこまでだめなのか?そしてこの話題がでると必ずと言っていいほど議題に上がるのが、
「全日本選手権はどうなんだよ??」
というもの。まあこれは正直論点のすり替えだと思いますが。
 
 直近で話題になっていた議論ですが、以前似たような論争が起きた際に少し調べていました。私は弁護士ではないですが、医療者というのは訴訟が起きやすい業者ということもあり、法律には少し敏感な方が多いです。私同期で法学院→医学部再受験という人がおり、その人にも軽く聞いてみた結果も踏まえて、今回ら記事としてまとめたいと思います。
 なお、私は弁護士でもなんでもなく、全員が見られる情報を統合して主観的に考察したものとなります。間違いがあれば教えてください。記事自体の削除も行います。

① 肖像権とは
 まず重要なのが、厳密には肖像権というものは明記されていないということ。著作権であったり、国民の権利から派生した判例による概念になります。つまり、今後の判例次第でその定義は大きく変わる可能性があるということです。
 ひとまず現時点では、肖像に帰属する人権としておきます。プライバシーの権利であったり、その肖像に付加されているパブリシティ権であったりがあります。論拠となる文は下記です。

「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」
日本国憲法第13条「幸福追求に対する国民の権利」

② 肖像権の侵害
 肖像権は全人民に等しく認められている権利であり、その侵害を民事的に訴えることは可能です。今までの判例をみてみると

・個人が特定できること
・個人がメインであること
・拡散性が高いもの(SNSなど)
の場合は侵害に値することが多いようです。逆に

・個人が特定できない
・個人に公開する承諾を得ている
・撮影が予測される場所

の場合は侵害と認められないケースが多いようです。
 つまり、卓球の試合会場で考えてみると、公開許可を得ていない試合動画の YouTube掲載は当然侵害ですが、動画内に一時的に映り込んでしまっただけであったり、個人が特定できないような動画であれば、それは侵害にはならないです。なので、
・試合動画を公開する際に、動画に映った通行人全員に公開許可は必要ないかと思います(はっきり顔が映っていたら多少の配慮は必要でしょう)。また、
・試合の振り返り、研究目的(公開予定がない)動画も肖像権の侵害には該当しません。
 
 そもそも承諾を得るといっても2種類あり、1つが明示的承諾、もう1つが黙示的承諾です。明示的承諾とは所謂口頭や文面で承諾を得る行為のことです。医療でいうところの同意書ですね。一方黙示的承諾とは、謂わば暗黙の了解で承諾を得たものとするというものです。
 例えば高校野球は観客席も必ず撮影されています。つまり、放映されることをわかっているうえでその場にいるということは、撮影されることも承諾しているとみなすというものです。テレビ中継を回しているところに出向いて、それを肖像権の侵害というのは流石に無理がありますよね。
 つまり、
ネット中継、テレビ放映すると分かっている全日本選手権は黙示的承諾の適応があり、肖像権の侵害には当たらない
ことが多いです。一方通常放映などされないオープン大会などはそれに限った話ではありません。
 もちろん、黙示的承諾にも限度はあり、度が過ぎると黙示的承諾を得たものとしないとみなされることもあるでしょう。
 この時点で全日本肖像権問題は証明が終わっていますが、もう少し掘り進めてみます。2部作に分けて掲載します。