共同研究者のバルサミコ氏が医学生で私が彼の同僚ということは私の仕事はお察しの通りなのですが、世間とのイメージとの違いはあれど仕事というのはどんなものでも大変なものです。ここ数日はICや当直で夜間の時間が全くなく、ほぼ毎日書いていたブログの更新も途絶えていました。昨日は当直後の半休で死んだように眠っていた寝起き同然のフランです。まだ仕事関連で病んではいませんよ笑

 仕事でももちろんですが、卓球をはじめとしたスポーツもメンタル力がものをいう部分も多いです。特に卓球は、特定の試合相手との一試合当たりの平均距離が最も短い競技の一つです。その中にプレイ以外での大きな駆け引きもあり、そのひとつひとつの一挙手一投足が試合の流れを大きく変えてしまうこともあるぐらいです。自分が弱っている姿を少しでも見せてしまえば、相手にそこをつかれてしまいますし、逆もまた然りです。

 試合中に心がけていたこととして、「技術力以外では負けてはいけない」ということです。技術は自分、相手の練習量、またその効率(いやな言い方をすれば才能)に依存するので、技術力で勝てない相手は多く存在し、勝てない相手には勝てません。しかし、技術力以外の面では、特にメンタルにおいては、どんなに技術力が格上の相手においても対等にもっていくことは可能です。そこで一瞬でも相手の隙を突くことさえできれば、技術力で勝てない相手にも勝てる可能性は見えてきます。
 
 卓球における技術力以外の要素として戦術力とメンタル力が挙げられるかと思います。技術力がなくても適切な戦術と相手に負けないメンタルがあれば格上にも勝てるようになりますし、私はそのような卓球しかしてきてません。
 メンタルを優位に保つ方法としては本当にいろいろあり、それこそ天衣無縫の極みで説明したこともメンタル力にまつわることに違いないでしょう。今回はそんなメンタル力の中からさらに自分からメンタル力を下げない方法をピックアップしたいと思います。もちろん人それぞれですが、私がおもうものだけ簡単に紹介します。

 まず、プレイに入る前にルーティンを決めておくということです。様々なジャンルのトップアスリートでもルーティンを行う選手は非常に多いです。我々は一般人レベルの方がほとんどでしょうが、そんな我々もルーティンを行うことで、メンタルを保つようにしましょう。ルーティンを欠かさず行うということはつまり、その場の空気に飲まれずにいつもの自分であるという証明になります。団体戦などで、ルーティンを普段行う選手が行っていなければ積極的にタイムアウトを取りに行くことも視野に入りますし、それがうまくいく場合も多々あります。ルーティンは絶えず自分の正常時のメンタルに持っていくための動作というのが私の考えです。

 もう一つは、自分のミスしたことを反復しないことです。よく、それこそトップ選手でもみかけることが、ドライブミスした後に素振りを行うことです。技術力は先述の通り、今までの練習に依存するものであり、その場で劇的に変わるものではありません。ミスした後に素振りをすることをルーティンにしていれば別ですが、そうでなければ素振りをする行為のメリットはさほど多くないように感じます。かえって相手側に「あいつドライブ気にしているな笑」といった余計な情報を与えてしまうことにもなりかねません。そこをふまえてあえて素振りするという高度な心理戦をするのも面白いですが、それが試合の流れを変えることは少ないでしょう。
 ミスしたことはミスしたことで振り返らない、もし全くドライブが入らなければ、それは戦術力でカバーする、これが本来の卓球の流れというものです。気合で球が入るのならば全員マロンでしょう。メンタルを維持するためにもミスを反復しない、引きずらないということは非常に大切だと思います。
 これは1プレイだけでなく、試合全体にもいえることで、1試合負けたとしても次の試合があるのならば、必要以上に振りかえらないことは案外重要なのではないかと思います。もちろん、すべての試合が終わった後に反省会を行うことは否定しませんが。

 今日は後輩たちの試合なものですから、こういう精神論的なものを書いてみました。まあどうせ見ていないでしょうが。