コントロール群。

理系の方なら論文などでよくみる言葉でしょう。実験を行わない群、例えばある薬の薬効を知りたい時に、薬を飲む人の群の他に薬を飲まない人たちという群も同時に検討するあれです。
主に対照実験で使用する言葉ですが、卓球をはじめとしたスポーツでも(厳密には意味合いは違ってきますが)このような考え方を用いることができます。


対照実験はコントロール群(前述の薬を飲まない人)と実験群(薬を飲む人)を比較し、その結果に基づいて考察するものです。この時重要なこととして、前述の例を挙げると、薬を飲むor飲まない以外の条件を揃える必要があります。つまり、性別や年齢、かかったことのある病気などはコントロール群と実験群で大きな差があってはいけません。

卓球において、この対照実験の考え方(対照実験様思考)を落とし込むにも極力いろんな条件を整えなければなりません。
しかしながら、相手は試合毎に異なり、また自分の調子も日によって異なり、試合の流れもあるため、本来の対照実験ほど、厳密なことは不可能です。意味合いが違うと書いたのはこのためです。

しかし、絶えず一定にできるものもあります。例えば自分の用具と1セット目のサービス2本です。用具はともかくとして、1セット目の最初のサービス2本は全ての試合で(多少の調子の変動はあれど)同一のものにすることが可能です。

私は全ての試合において1本目:バックにナックルロング、2本目:フォア前にナックルショートサーブを出します。ナックルサーブの理由は最も自分の調子に左右されないサービスだからです。

これによって私は何を知るか。相手の初動によって私の基礎となるロングサーブ展開「バンザイ」の効き具合か分かります。初手のロングサーブに対するレシーブは相手のバックロングに対する基本的な返球を示唆しており、これを基にその試合の戦術を決めていきます。この戦術論についてはまた後日。

上のは私の一例ですが、皆さんも最初のサービスを固定することで、様々な情報を得ることができます。自分の調子のバロメーターにするもよし、相手の実力を推し量るでもよし、戦術の効き具合を推し量るもよし。自分が意図的に行いさえすれば、必ず何かの情報を得ることができます。
この時重要なのは、その実験数、つまり施行数を増やすということ。対照実験でいうnを増やす行為です。nが増えれば、その分その実験は説得力のあるものとなります。

相手・自分の情報がある方が試合を有利に進められるのは自明のことで、その情報を得るために試合中試行錯誤「変化をいれて」行うのですが、中にはこのような「あえて変化を加えない」で情報を得る術もあることを知っていただきたく、今回の記事を投稿いたしました。やや小難しい話で読みづらいかと思いますが、参考程度に。