肩甲骨打法 part5にいく前にもう少しだけ補足説明を。
   Part4で説明した通り、肩甲骨打法とは、

肩甲上腕関節の動作に加えて、肩甲上腕関節自体の動作で前ベクトルを付加させる打法

といったものと説明しました。ここで以前の考察記事からある部分を引用してきます。それはこちら。

FullSizeRender


   以前肩関節とは「狭義の肩関節」と「広義の肩関節」と厳密には定義されると説明しました。覚えていない方のために説明すると、「狭義の肩関節」というのは肩甲上腕関節そのもののこと。「広義の肩関節」とは肩甲上腕関節に加えて、第二肩関節、肩鎖関節、胸鎖関節、肩甲胸郭関節も含めた肩関節群のことを指していました。これらの言語を上記の肩甲骨打法の定義に当てはめようとすると、肩甲骨打法は狭義の肩関節に加えて、広義の肩関節を用いて前ベクトルを加える打法ということになります。
   狭義の肩関節、つまり肩甲上腕関節単独では、肩甲上腕関節自体を移動させることは不可能です。関節とは骨と骨のつなぎ目のことで、関節周りの骨を動かすためのものです。そのため、関節自体を動かそうとすると周囲の他の関節を用いる必要があります。上記の肩甲上腕関節自体を動かすためには、肩甲上腕関節周囲の他関節、つまり広義の肩関節に定義されている他関節も用いた上で初めて成り立つ事柄ということです。つまり、肩甲骨打法を用いる時に「広義の肩関節」の説明が必要不可欠なことであり、「肩関節」という用語の使い分けが必要です。バルサミコ氏が提唱している「肩関節打法」というのは、このことから起因しています。
   ここまで読んだ方の多くは、そこまで厳密に細かく定義する必要はないと考えていることでしょう。しかし、曖昧な定義づけでは説明できるものも説明できないと考えるため、読者の方は申し訳ないですけどこの考え方にお付き合いいただければと思います。言葉の意味合いについては一つネタをもっているので、機会があれば記事にあげたいと思います。


   前記事の通り、肩甲骨打法とは定義上は誰しもが行っていることであると説明しました。卓球のスイングは、肩甲上腕関節の動作+前ベクトルの付与 or 横ベクトルの付与(つまり絶対的 or 相対的3hit理論)と考えることができ、「肩関節」を動かしている以上、上記の肩甲骨打法の定義は必ず満たされることになります。俗に言われる肩甲骨打法は単一関節群のみで上記を行おうとする打法であり、逆にいうと3hit理論の付加は他の動作で補ってもよいということになります。
   その結果生まれる表現型が、足を使って踏み込んだり、体全体の体重移動(重心移動)を用いたり、上半身を捻ったりといった馴染みのあるものということになります。最近では、股関節を用いるといったものもありますが、これも上記の定義を用いると、3hit理論を満たすための表現型の一つということになります。


P.S   肩甲上腕関節の動作の中にも絶対的 or 相対的3hit理論が織り込まれていることは以前考察した通りです。しかし、そこも踏まえた上で説明するとかなり複雑な表現になっていったので、敢えて肩甲上腕関節の動作 + その他の動作による3hit理論の付与 といった説明とさせていただきました。