3ヶ月前に何回かに分けて考察してきた肩甲骨打法。①、②では考察するにあたっての基礎的なことを考察してきましたが、今回はもう少し具体的なところに踏み込んでいこうと思います。今までの投稿内容を下記に示しておきます。


   肩甲骨打法とはいったいなんなのか。考察するにあたって色んな考察を調べてきました。

IMG_0096

本当に色々あります。そして書き方も色々。
・肘を引いて肩甲骨中心に打つ
・従来の筋肉に加えて肩甲骨の周りの筋肉を追加で使う
・肩を中心に打つ
・上半身のみを捻って打つ打法
・肩甲骨を背骨に近づけてテイクバックを取る
・鎖骨を意識するとより肩甲骨打法に近づく

   卓球本やホームページやyoutubeなどで言われている内容を抜粋してきました。他にもありますが、大筋としては上記の内容をよく目にするかと思います。これらをまとめると

肘を引いて鎖骨を意識しながら肩甲骨を背骨に近づけるようにテイクバックをとり、肩甲骨や肩を中心にして肩甲骨周りの筋肉も有効に活用しながら上半身のみを用いてスイングする打法

ということになります。長いしよく分からない。これでは説明になりません。

   先日遺伝子型と表現型という記事を投稿しました。唐突に現れた謎話と思われる方も多いかと思います。
   前記事に則って考えると、上記の考察は全て「表現型」の説明と考えます。つまり肩甲骨打法の「遺伝子型」を必ずしも汲み取っているとは限らないということです。卓球における肩甲骨打法の発案者は高島氏だと記憶しており、氏の表現が一番本質をついているのだと思うのですが、個人的にはそれですらまだ表現型の域を出ていないのではないかと感じています。
   というのも先述した通り、肩関節の関節運動の中心は肩甲胸郭関節ではなく肩甲上腕関節であり、肩甲上腕関節を度外視した表現は本質を内包していないと考えるからです。また、肩甲胸郭関節周囲筋を用いた打法という説明も、補助的に有用な可能性はありますがそれもまた本質を内包していないもののように思えます。

   では、肩甲骨打法の「遺伝子型」とはいったいなにか。考察が更に長くなる可能性があるので以下に提示して再度考察しようと思います。

   肩甲上腕関節自体の前ベクトル方向の運動を用いた打法