台風の影響がもっと出るかと思いましたが、この三連休は外出日和でした。新しいラケットも届いて気分はウキウキです。
体育の日も再来年から「スポーツの日」に改定されるそうで、そういう意味でもいいスポーツ日和、いい卓球日和でもあったでしょう。
   さて、3hit理論についてブログを再開してから比較的たくさん考察を続けております。その中で今回は以前記事として挙げた「相対的3hit理論」について少し補足をしていこうと思います。


   以前説明した通り、相対的3hit理論とは他のベクトルを加えることで前ベクトルを抑える3hit理論です。「横にスイングする」というのはそれをまさに体現しており、トッププロも無意識のうちに多用している技術です。
   既にお分かりの方もいるかと思いますが、スイング方向は以下の通りに分類できます。

前方向
横方向(体幹側へのスイング)
上方向

この3種類を各方向ごとに複合して卓球のスイングが生まれます。3hit理論は前方向ベクトルを過度にかけないことが大前提にあるので、今回の論点として、横方向と上方向のスイングこそ相対的3hit理論における肝となってきます。
   これは理論ではなく、実際のトッププロや上級者の試合を見ていても、横方向のスイングはもちろん上方向スイングを主としたスイングも目にする機会は存在します。私見としてはカウンター技術においてよくみるかと思います。しかし、主にみるのは横方向のスイングでしょうか。

   では、横方向と上方向、どちらがスイングとしてより優れているか?
結論としては一概に優劣というのはつけづらいかと思います。答えになっていなくて申し訳ありません。しかし、そのスイングのための関節運動を考えていくと、その本質に少し触れることができます。

   そのために、上肢の関節運動を下記に簡潔にまとめたいと思います。上肢に存在する関節運動は、①手関節 ②肘関節 ③前腕 ④肩関節 ⑤肩甲骨 となります。

 ①手首
  前記事にこれは挙げていましたのでそのまま転載します。           手首の動かし方について
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②肘関節
   肘の屈曲、進展のみです。
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③前腕
回内、回外運動のみです。前のバルサミコ氏の表現をそのまま引用すると「親指をたててGOODポーズを行う時の前腕運動が回外、親指を下に向けてブーイングする時の前腕運動が回内」となります(ちょっと表現は変えています。)
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④肩関節
沢山あります。さすが球関節です。一つ一つ実際に動かしてみてください。
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⑤肩甲骨
肩甲骨の動きは肩関節運動との複合的な動きです。日本整形外科学会、リハビリテーション学会でも厳密な測定法を指定していなかったと記憶しています。(間違っていたら大変申し訳ありません)そのため動きとしては存在していますが、今回は肩甲骨の動きは考慮しないこととします。

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この各々の関節運動の複合の結果が上肢のスイングにつながります。そこに体幹、下肢の動きも加わることで全身運動となります。
   では、この関節運動をa.横方向b.上方向に大まかに分類していきます。

①手首
   掌背屈:面の移動が顕著に発生してしまうため、考慮に値しない。強いて言えば前腕が回内すると横方向回外すると上方向
   ​橈尺屈:前腕が基本軸に近いほど上方向前腕の回内、回外が加わるほど横方向
​②肘関節
屈曲進展:基本軸では上方向​、他の関節運動との複合では横方向
​③前腕
回内回外:横方向。面移動の発生が顕著なのでこの動き単独では考慮に値しない
​④肩関節
屈曲進展:上方向
​外転内転:内転は横方向​、外転は上方向
​内旋外旋:共に横方向
​水平屈曲、水平進展:横方向

   ​一概に種類の多さが優劣を決めるものではないですが、横方向の運動のほうが上方向の運動より多く存在しています。また、この中には卓球の動きとして考えづらい動きも存在しています。前腕回外位での掌背屈はラケット面が完全に上を向いてしまうため、スイングとしては考慮できません。基本軸での肘関節の屈曲運動も同様です。さらに上方向の選択肢がなくなってしまいました。こういった選択肢の多さから横方向のスイングの方がよく見かけるのかというのが今回の一つの「仮説」です。

   また、もう一点考察していて面白いなと思ったのが、上方向の関節運動時に発生する二次的な共通点です。それは肘の移動。つまり肘が開く動作が他の運動よりもより大きく生じているということです。肘を開きながら打法するというは素人によく見受けられる打ち方であり、中学校などでもよく指導が入る箇所かと思います。3hit理論的には前ベクトルの抑制がかかっていれば問題はないということになりますが、一般論としてそれを禁止しているというのは、各々の指導者が無意識ながらもその上方向の運動の多様性が、横方向の運動と比較して少ないことを認識していたのでしょうか。

   卓球雑誌などでは中国選手が肘を開いて打っている瞬間がよく写真に収められており、理論的にもさほど間違っていないと個人的には思うので、一概に優劣は現時点ではつけられないかと思います。







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